しんたろう's profile一途バカPhotosBlogListsMore ![]() | Help |
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July 29 覚悟先日、このブログに書いた僕のおじさんが危篤だ。
意識はあるものの、かなり衰弱しているとのこと。
だから僕は明日、お見舞いに行く。
もしかしたら、最後になるかもしれない。
覚悟をしていかなければ。
結局、僕はおじさんに何一つ、孝行が出来なかった。
あれだけ僕のことを大切にしてくれたのに、
僕は何一つ恩返しができていない。
だから
まだ天に還ってもらうわけにはいかない。
僕の寿命を分けてでも
おじさんには長生きをしてもらわなければ。
明日は笑顔で逢いに行こう。
辛いときこそ、笑顔。
辛いのは、おじさんだから。
辛さを緩和してあげよう。
こういうとき、バカでよかったなぁとも思う。
どこか楽観的だから。
きっと元気になる。
そう信じている。
だから覚悟するんだ。
おじさんを精一杯助ける努力をすると。 不信任選挙今回の選挙の争点は「年金」「格差」「政治とカネ」
と周りは言っている。
まぁ確かに大事なんだけど、それ以前に大事なことがある。
それは「安倍総理に引導を渡すかどうか」
だと僕は思っている。
今回、ここまで野党が食いついてきたのは、
安倍総理が極めて決断力に乏しいということが大きいと思う。
何しろ組閣してすぐに佐田行政改革担当大臣が不適切な会計処理を認めて辞任。
まぁこれは運が悪かったという人もいる。
果たしてそうだろうか?
故松岡前農水大臣、その後釜である赤城農水大臣。
2人とも不透明な政治資金があると野党から指摘されている。
そして故松岡前農水大臣に至っては、全てを闇に葬るため、命を絶った。
安倍総理は終始、任命責任と称して、突き放すことも、全面的に擁護することもしなかった。
久間前防衛大臣の失言では済まされない発言の際も、
「解任」ということはしなかった。
結局、安倍総理は、誰一人、自分で解任せず、問題が起きた際は当事者に解決させてきた。
野党が揚げ足をとるために解任要求をするのは、一種のパフォーマンスに過ぎないかもしれない。
ただ、国民が解任を求めているのに、それに答えなかった総理の責任は重い。
また、人を見る目がないのだなとも思う。
「政治とカネ」の問題でポストが空いた農林水産大臣。
そこにどうしてまた、不透明な部分がある人間を任命するのか。
常識で考えれば、汚職疑惑で汚れたポストには
クリーンな人間を持ってくるべきではないだろうか?
それともクリーンな人間は自民党に存在しないのだろうか?
「美しい国、日本」を掲げておいて、内閣が汚れているのはどういうことなのだろう。
そもそも安倍総理は北朝鮮問題において、辣腕を振るったことで
国民から絶大な支持を得たと思っている。
しかしながら、今回、与野党は本会議において、この問題を大きく取り上げることはしなかった。
アメリカのアホ次官が制裁を緩めるのを誰も止めなかった。
外交に強いのが安倍総理の売りではなかっただろうか。
結局、今回の本会議において、北朝鮮問題の進展は見られなかったと僕は感じる。
終始、大臣の尻拭いと、年金問題についてダラダラと言葉を垂れ流すことしかしていなかった。
だが、これは野党にも問題がある。
まず、これだけは、明言しておくが、
本会議は揚げ足を取る場所ではない。
国政について審議する場所である。
失言を大問題のように取り上げ、経費の水増しを追及する場ではない。
与党は何ができるか
野党は何ができるか
それを審議する場所である。
野党議員はよく、
「代表者質問の時間が短い」
と仰っているが、その短い時間をどうして揚げ足取りに使うのか?
不透明な政治資金について追求することは必要だが、
それは本会議ではなく、別の会議を設けて行うべきだ。
だから民主党は「揚げ足取りしかできない」
共産党は「憲法9条の改正を許すな」
社民党は「反対。なんでも反対」
そういう風に見えるのだ。
今、中国は軍拡を推し進めている。
ロシアからスホイ27、スホイ30という強力な戦闘機を購入している。
日本はというと、F-4EJ、F-2、F-15の三種類である。
F-15が200機ほど配備されているが、この戦闘機は開発されたのが30年前である。
改修をしているとはいえ、自衛するには脆弱である。
有事の際、航空自衛隊は本当に自衛できるのか、不安を持つ。
そして次期主力戦闘機の開発プランも頓挫している。
アメリカからF-22ラプターという、最新型戦闘機を購入する予定だったのだが、
アメリカが国外輸出を認めなかったため、入手不可になってしまった。
結果、F-15を改修する方向で決まったそうだが、
まぁスホイとF-15では運動性が違うとのデータがあるので、
やはり自衛隊が不利なのは否めない。
無論、そんな日が来ないことが一番なのだが。
そういう平和ではない状況下において、
未だに平和だと信じている政治家は実に視界が狭いと言わざるを得ない。
別に日本も軍拡をしろとはさらさら思わないが、
自衛隊員がしっかり日本を守れる国防戦力は維持するべきではないだろうか?
隣にはきな臭い国がある。
それを認識させるのも政治家の仕事だと、僕は思う。
そういった様々な問題を議論するのが本会議ではないか。
なのに野党はすぐに話をすりかえる。
政権奪取と言うが、何ができるのか具体的な話をしようとしない。
まぁ具体的な話はできないのだろう。
できないから、ああやって小事を大事へすりかえるんだろうから。
環境問題を取り上げる余裕もない。
デカイ車を乗り回して、常に空調の効いた部屋にいる人には
自分のことと認識できないだろう。
今、日本に必要なのは、調和なのかなと思う。
世界中の調和が乱れているのだから、
まずは自分の国が調和することが肝要なんじゃないかな。
そんなことを考える。
国民、一人、一人が日本を愛せるようになれば
なんだか色んな物事が落ち着くような気がする。
国を愛することは右でも左でもない。
それは自然なことなのだから。 懐かしい学び舎今日は参院選。
選挙権を持っている皆さんは、投票所に足を運んだと思う。
もしくは期日前投票をされたと思う。
もし選挙に行かなかったなら、僕のブログは読まないでけっこう。
お帰りはあちら。
で、僕の場合、投票所が、小学校。
20年前、まだ素直で無垢だった僕がランドセルを背負って
毎日、通っていた小学校。
僕は選挙の時、懐かしい小学校に入ることができるから、少し嬉しい。
少子化で僕が1年1組だったときの教室は資料室か何かになっていた。
あの頃はちょうどよかった手を洗う流しが、
今の僕には、冗談みたいに低くて、微笑ましい。
だって僕の膝上くらいの高さしかないんだ。
トイレの横についている姿見は首から下、すねから上しか映らない。
大きくなったんだなぁと改めて思う。もっとも大きくなったのは体だけかもしれないけれど。
投票を終えて、グラウンドに出てみる。
幼心に狭いなぁと思っていたけれど、やっぱり狭い。
僕が卒業してから、もうずいぶん時間が経ったけれど、
ほとんど変わっていない。
毎日、走り回っていたグラウンド。
逆上がりができなかった鉄棒。
「やぁ、ひさしぶり」
そんな雰囲気だった。
選挙の時にだけ味わえるノスタルジィ。
こういうのも、いいね。 July 28 うだる部屋なんとなく今日はエアコンをつけていない。
おかげで部屋でPCを使っていると、本当に暑い。
PCからでる熱というのが、けっこうな暑さだと気づかされる。
夏本番を前に、各都道府県では、次々に甲子園出場校が決まっていく。
毎年、神奈川県は高校の数が多いせいで時間がかかる。
で、どこが甲子園行きの切符を手にしたか、知らない。
僕はベイスターズファンだけど、高校野球には興味がない。
なぜって言われるけど、理由は色々。
「This is 青春」が苦手。
僕は学生時代、青春らしいことなんて、何もしていないから。
そういうことに冷めていて、早く大人になりたいと思って背伸びばかりしていた。
だから、今でもどこか冷めた視線を送ってしまう。
もう一つの理由は、母校がないということだろう。
僕は高卒だけど、母校はない。
廃校になってしまったから。
最初に通った高校は1年間通って、まぁ性格の不一致で辞めた。
馬鹿馬鹿しいくらい古臭い校則を遵守するのが嫌になった。
それから、僕は一年間、放蕩生活をして、定時制に編入した。
まぁ僕はRockに傾倒していたし、ギターに夢中だったから、
あまり社交的になった記憶はない。
屁みたいな「バンドごっこ」に付き合ってはいたけど、
そこに青春なんてひとかけらも無くて、
あったのは、ドロドロとした人間関係だけ。
表面上、笑顔で付き合っていながら、
裏では、当たり前のように陰口を叩く。
周りにいたのは、そんな人間ばかりだった。
その影響もあってか、未だに僕は人を信用するまで、時間を要する。
友好的であれば、あるだけ、裏を見ようとする悪い癖がある。
実際、定時性時代の人間でいまだに付き合いが続いている奴は一人。
先日、ここに綴った、もう一人の一途バカだ。
ちなみに彼は同い年だけど、学年は僕より一つ下で、
僕よりも、当時の腹黒い人間関係を知っている。
そんな彼も、傷をつけられた一人だったりする。
まぁ、まともな奴を探すほうが難しい高校だったから無理もない。
暴走族上がり、現役暴走族、ヤンキーが半分くらい。
あとの半分は、僕のように訳アリか、いじめなどを受けた経験のある人。
そして1割くらいが、本当に勉強への情熱で通っている人だったように思う。
もちろん、途中から、いい方へも悪いほうへもシフトしていく人はいる。
僕は結局、卒業前、ほぼ独りだったけど。
色恋沙汰からいわゆる、人間関係まで、全てに不信感を持っていたから。
(自分で書いていて思う。色恋沙汰でモヤモヤしすぎ、俺)
卒業して、2年後だっただろうか。
様々な理由により、僕の卒業した高校は、廃校となった。
廃校にあたって式典が催されたみたいだけど、
僕はそんなに想い入れもないし、昔の面子に会いたくないのもあって行かなかった。
まぁあの時のクラスメートがどうなっていようと、
生きていようと死んでいようと、僕には何も関係がない。
何の刺激もないし、影響もない。
まぁ、「あぁはなるまい」って思う奴の方が、やや多め。
もっとも、向こうさんからすれば、同じ事を思うのだろうけど。
高校時代に覚えたのは、タバコと恋愛くらいのもの。
まぁ大したことは学んでない。
うだる部屋にいると、思考がマイナスに傾くらしい。
暗~い高校生活を思い出してしまった。
ただ、今、明るいかと言われたら、それはわからない。
少なくとも夢があるだけ、希望の灯火はあるかな。
生活の不安は、たぶん、一生抱えていくもんだろうし。
まぁ落伍者と呼ばれても構わない。
そうやって人を蔑んで気が済むなら、好きにすればいい。
結局、自分の虚しさ、心の貧しさに気づかされて、自己嫌悪に陥るだけ。
けど、僕はそういう人に同情したりはしない。
そんな悪循環に陥ったときに、読んでもらえる小説を生み出したいから。
この部屋の暑さが
夏の成せる業か
僕の情熱の熱さか
それは僕にも分からないけど。
情熱に冷房はいらない。 ダメージ最近、タバコの本数が増えた。
といっても、一日10本前後だけど。
しかもこれがまた旨くもなんともない。
やめようかなぁ・・・
と真剣に考えている。
というのも、ここ最近、どうも体の調子がおかしい。
正座をしていて、足がしびれるならわかるのだけど、
胡坐や、椅子に座って足を組んでいるだけでもしびれてくる。
しかも、本当に感覚がなくなるくらい。
10分くらい同じ姿勢をとっていると、しびれてきたりする。
なんかちょっと、嫌な予感・・・。
腰がつったようになったり、
左肩が五十肩になったり、
指先が震えたり、
僕の体はいくつなんだ?
なんとなくダメージが蓄積されている気がする。
だからといって、改善策も見当たらないし・・・。
や~みなさん、体は大事にしてくださいね。
って僕に言われても説得力ないか・・・ 無風の部屋僕の部屋は風が入ってこない。
一応、南向きだけど、暗い。
築26年のまぁ団地みたいなところだから、
屋上がもろコンクリで、夏は暑くて冬は寒い。
おかげで何度、PCがオーバーヒートしたか。
ギターを弾くときは窓を閉める。
2~3時間弾いていると、滝のように汗が流れてくる。
ほとんどサウナだ。
暑いから、ぼーっとしてしまう。
扇風機が置けないから、風が入ってくることを期待しながら。
この状態が僕は嫌いではない。
何かしらのアイデアが浮かんでくるから。
明日は選挙。
誰に入れるかはもう決まった。
年金改革。
今、僕が払っている年金は、僕のためではない。
日本を立て直すために、頑張った人たちのため。
いわば、恩返し。
だから払うのが当たり前。
「どうせ俺らはもらえないんだろ?」
そういって払わない人は、もらう資格がない。
僕らがもらえないかどうかは、関係ない。
今、もらうべき人が、きちんともらえるかが問題なのだから。
きちんと納税をして、保険料と年金を支払う。
国民の義務だから。
日本国民の。
それを無駄にする奴がいる。
そいつらを首にするのが、選挙だ。
そういう点からすれば、もはや選挙は形骸化しているとも言える。
じゃあ投票に行かない。
それは間違っている。
投票に行かないのなら、国から与えられた選挙権を放棄することになる。
それは国政に対して、一切の発言を放棄することである。
選挙に行かなかった人間が
「消費税が上がった?ふざけんなよ。」
と発言することは、許されない。
ただの野次でしかない。
理想どおりの政治家がいないと嘆くなら、
政治家になればいい。
批判したり、バッシングするのは誰にでもできるのだ。
批判した上で、具体的に自分なら何が出来るか提示できるかどうか。
もし、政治家を志すなら、これが大事だと思う。
僕は政治家になるつもりはない。
僕はきっと問題発言をして、物議をかもして、
マスコミからぶったたかれて、辞任するタイプだから。
何より、群れるのがダメだから。
それよりも
個々の心に何かを残せる小説家に魅力を感じる。
だって、もし夢が叶ったら、
こんなに素敵な職業はないから。
だから、今日も色々と綴ります。 July 26 皆さん、ありがとう。気づいたら、このブログも総アクセス数が1600を超えていた。
一割の人がちゃんと読んでくれているとしても160。
ありがたい限りです。
さらにコメントを残してくれる方には大変、感謝しています。
このブログブームの中、大変読みづらいブログを書いています。
そんな僕のブログを読んでくださった皆様に心より感謝申し上げます。
感情の起伏が露骨に出ているこのブログですが
どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。
思うこと、読み捨て小説、連載小説と頑張っていきます。
あなたのために、世の中のために
僕自身のために。
下克上。 心僕は思ったことを口にしないとだめだ。
喜怒哀楽、思った都度、口に出す。
良かれと思って言ったことが、逆の効果を生むこともある。
相手を焚きつけようと口にした言葉が、
相手のやる気を削いでしまうこともある。
もっと踏み込んで来いよと思って口にした言葉が
図々しい男と思われてしまうこともある。
その逆もある。
欠点を責め立ててなじったのに
相手はその欠点を見つめ、ありがとうと言われることもある。
人の心というのは
理解しようと思えば思うほど、
かえって理解できなくなる。
人を救いたいと思ってかけた言葉が
かえって苦しみを倍増させることもある。
今まで、僕はどれだけの人を傷つけて生きてきたのだろう。
僕はいつだって、人の心を傷つけまいと思っている。
僕自身、何度も傷ついて、その辛さを知っているから。
その悲しみを知っているから。
だから人の心を大切にしたい。
なのに僕は人の心を傷つけてしまう。
きっとこれからも僕の意思とは裏腹に
人の心を傷つけてしまうんだろうな。
それが小説家の宿命なのだろうか。
それとも僕自身の宿命なのか。
それでも僕は言葉を綴ります。
人を救える言葉を綴りだしてみせます。
心を。 口癖僕は最近、
「世の中ままならない」が口癖のようだ。
けど、僕からすれば口癖というよりは、本当にそう感じることが増えたんだと思う。
僕自身、心が枯渇していると、物事を生み出せないということは、
たぶん、このブログのどこかに書いた。
だから一時、バランスを大幅に崩して、1日だけ、休んだ。
心の枯渇は一時だけの場合もあるし、
長い時間がかかることもある。
それはその時にならないとわからない。
ただ、現状、僕はこうして枯渇から脱出して、
再び、言葉を綴るようになった。
その矢先に、尊敬する布袋の大失態。
本当にままならない。
さっさと見切りをつければいいという人もいるかもしれない。
ただ、12の時から布袋のRockに触れてきた。
要するに僕の人生の半分近く、布袋のRockがある。
辛いときを乗り越えるために力をもらったこともある。
夢を叶える素晴らしさを教えてもらったこともある。
僕の人生にもっとも影響を与えている人である。
その人が
僕のもっとも忌み嫌う行為をした。
心を傷つけるのは仕方ない。
だが、肉体に傷をつけることは許されない。
それを布袋さんはやってしまった。
昨夜も僕は、布袋のDVDを見た。
今日はギターを弾いて頭をクリアにしようと思っていた。
なのに・・・
どうして、
どうしてこんなにままならないことばかりが続くんだろう。
今、僕は乗り越えなければならないものが
たくさんある。
けど、今はそれを乗り越える自信がない。
僕に力を。
僕に勇気を。
ままならないなぁ・・・人生って。 失望布袋さん、あんたいくつだよ?
町田さん、あんたいくつだよ?
喧嘩するのは仕方ない。
ただ、怪我をさせるなよ。それって当たり前、常識だろう?
社会人として。
町田さん、あんたもあんただ。
よっぽど傷ついたのかもしれない。心が。
だからってこういうやり方でしか、盃を割るしかなかったのか?
あんたたちは、
俺の中じゃ、スーパースターだ。
多少のゴシップは気にしない。
けど、新聞に載ってる。
嬉しくない。
悲しくて、裏切られた気分で、罵倒したくなるよ。
ヤバイのは布袋か?
ヤバイのは町田か?
俺は布袋さんに憧れてギターを手にした。
町田さん、俺はあんたが選考委員にいたから、あの文学賞に応募した。
俺は
俺は本当にあんたたちに憧れていた。
一途バカの成れの果てなのか?
あんたたちは。
布袋さん、俺はしばらく、あんたのRockは聴かない。
当然、あんたのギターも弾かない。
俺が弾けるのはあんたの曲ばかり。
だからギターが弾けない。
馬鹿野郎。
町田さん、あんたの本を読まないでよかったよ。
俺の小説は一次選考で落っことしてくれ。
あんたに読んでもらいたくない。
阿呆。
俺の中で大事なものが傾いた。
俺はそれでも布袋を追い続けるのだろうか?
わからない。
もし、今、何か願いが一つ、叶うなら、
布袋に自らの口で語りたい。
あんたが俺にとってどれだけ影響を与えたか。
俺の中でどれだけ偉大か。
そして最後に、
「失望したよ。あんたは最低だ。」
俺の心のよりどころが、なくなりそうだ。 一途バカ俺は、卑怯で、臆病者。
でも、ここぞと決めたら、腹を括り、勇気を持って行動に移す。
その結果、八つ裂きになっても、俺は構わない。
何事に対しても、その姿勢は変えない。
流れに抗うこともする。
人を傷つけることもする。
けど、それは本当に大切だと信じているから。
この先、俺はたくさんの人に迷惑をかけ、傷をつけていくかもしれない。
けど、それを恐れていたら、何もできない。
たくさん迷惑をかけたら、その分、恩返しをすればいい。
たくさん人を傷つけたら、その分、償い、癒してあげればいい。
これから自分が取る行動、
それが未来につながっているのなら、
俺は躊躇わずに一歩を踏み出す。
行動を取る。
壁ならぶち壊して進み、
崖なら飛び越えるか、埋め立てて進む。
あとで壁を修理して、崖を元に戻す。
それが
一途バカの生き方。 July 25 波間の記憶いつか、君は僕の事を忘れるのだろうか。
そのとき、僕は君を忘れられるだろうか。
君の笑顔、君の瞳、君の声。
僕は全て忘れることが出来るだろうか。
君が僕を忘れたとき
君はどういう理由で僕を忘れるのだろうか。
もしかしたら
僕が先に
君を忘れるのかもしれない。
その時
君は僕を忘れることが出来るのだろうか。
それとも永久に君の記憶の中で
僕は生き続けるのだろうか。
君は僕の中でいつまでも色鮮やかに舞い踊る。
夏空を身にまとって。
この記憶がいつか消えてしまうのだろうか。
愛しさと悲しさ溢れるこの記憶が消えてしまうのだろうか。
できることなら
許されるなら
僕は君を忘れたくない。
僕を忘れてほしくない。
寄せては返す波間に消えていく泡のようにはなりたくない。
波がさらっていく砂浜の絵にはしたくない。
空が青いかぎり
僕は君を忘れられない。
たとえ君が忘れても。
そんな気がする。
空が悲しい日は
君の悲しい瞳を思い出す。
記憶は時に残酷だから。
記憶は時に優しいから。
いつまでも波間に漂う海月のように
戯れていたい。
君の記憶とダンスを。
ブラックレザーに身を包んだアルタイルは想うのでした。
星空のドレスをまとったベガのことを。 人のふり見て我がふり直せとはよく言ったものだと思う。
僕は時々、この言葉を思い出す。
女々しい男が僕は嫌いだ。
ウジウジ考えて、ちょっと辛いとすぐ泣く奴が。
「てめぇ、キ○タマついてんだろうがっ!」
と思ってしまう。
で、なんで嫌いなのか考えてみた。
答えは簡単。
自分の嫌な部分だからだ、
自分の根底にある部分をえぐり出して見せつけられているような気がするからだった。
終わった恋をいつまでも引きずっていたり、
あの時、あぁすればよかったという後悔。
それを思い出して、グチグチ、ネチネチ、ブツブツ話す奴。
それが自分の嫌いな部分を誇張されているようだから、
たぶん、大嫌いなんだろう。
まぁそういう奴がいるわけではない。
僕自身の中にいるけど。
かつて、いた。
あとはテレビなんか見てると、たまにお見かけする。
そのせいか、今週、テレビをまったく見ていない。
F1以降、何も映し出していない。
嫌いな人間から目をそむけるのは、簡単。
ただ、なんで嫌いなのか考えてみるのも、たまには大事なんだと思う。
嫌いな理由って数え切れないくらい挙がってくるだろうけど。
生理的に嫌いとか、全てが嫌いとか。
ただ、そうやっておおまかに嫌っている心には何があるのか、
それについて考えてみると、意外と自分の性格が浮き出てきたりする。
僕のように、自分の性格を誇張しているから嫌いというパターンもあるだろうけど、
嫌いの一言で片付けるより、少しは得るものがあるような気がする。
僕は「ウザい」とか「キモい」という表現をする人に、
「何が?」
と聞くようにしている。
もしくは「どこが?」
「だって、なんかウザくない?」
とか
「キモいじゃん、全てが。」
こういう答えが返ってくることも、しばしばだ。
「しゃべり方がイヤ。」
とか
「こういう考えだからキモい。」
ふむふむ、なるほどねと思う。
まぁ基本的には問題ないけど、
時々、「あぁこういうことで人は嫌われるんだ」と学ばされる。
で、思い当たるフシがあれば、改善する。
まぁ改善できているかは、なかなかどうして、わからないのだけど。
改善しようという意思があるか、ないかで変わる気もする。
だから僕は、話したくない人と話すことになると、
自分を偽って、イヤな奴を演じることにしている。
そうすることで、自分の精神衛生を守ってる。
だから、僕のことが嫌いな人、あなたは僕に騙されてるのかもしれません。
或いは、マジで嫌われてるかもしれないけど・・・(汁)
まぁ100人に好かれようなんて思いません。
なんせヒネクレタ性格なんで。
さぁて、果たして僕はどんな人間なんでしょうねぇ・・・
知ってるのは、親友と、愛した人だけ。
人間、そんなものですよ。
このヒネクレタ性格だけは治らないなぁ・・・
治ったら、人生つまんなくなるだろうし。
ま、実はけっこう曝け出してたりするんですけどね、ここに。
こうやって人を混乱させるのも悪い癖だなぁ・・・
ま、八方美人にはなりたくない。
それだけは真実です。 一途バカがもう一人。親友と
ランチ食べつつ
夢語る
なぜ七五調なのか、特に意味はないです。
彼と会うと、こういう感じになります。
どういう感じかと言うと、
近況報告→音楽の話
恋愛の話→楽器の話
世論の話→ギターテクの話
健康の話→最近のアーティストについて。
えぇと、8割、音楽が絡んでます。
というのは、彼はベーシストでギタリストでヴァイオリニストでフルート奏者でドラマーだからです。
根っからの音楽人なんです。
で、僕もギタリストで、音楽と小説が軸の人間なので、
ほとんど音楽のことしか話さないんですね。はい。
「フェンダーのテレキャスはヴィンテージじゃないほうがいいよ」
「最近のバンドにいるギタリストはみんなドロップDでつまらん」
「スティーヴ・ヴァイの音楽性はわからんけど、ギターテクはすごい」
分かる人にしか分からない会話をしています。
ちなみに彼はテクニシャンでタッピングからスウィープという早弾きをやってるそうです。
リフばかり弾いている僕とは対照的です。
で、今日はお互いの健康について話したんだけど、
やっぱ・・・年とった・・・お互い。
彼はひざを痛めていて、おまけに腕の腱が生まれつきないので手術が必要らしい。
しかも歯列矯正もするらしい。
で、どこの病院に行ったのか聞いた。
僕が昔、通ったヤブ整形だったことに笑ってしまった。
どうやら彼は病院嫌い。まぁ好きな人なんかいないか。
注射嫌いなことも判明・・・意外な一面を知った。
まぁ僕も注射嫌いだけど、僕より重症でちょっと笑ってしまった。
フフ・・・意外とビビりなのね・・・フフ・・・。
とか笑いつつ、僕自身の健康状態もあまりよろしくない。
腰がつったみたいで。
背骨より腰の筋肉が張り出してます・・・いてぇよぉ・・・
歯列矯正の話をしているとき、彼が僕の歯を見て、
「ん?歯列矯正した?」
「いや、俺はナチュラルボーンだけど?」
「へぇ、歯並び綺麗だね。歯が小さい。」
と、褒められてしまった。
たまに言われるんですが、自分ではあまり見ない部分だから、よくわからない。
で、僕の小説を読んでいるので、思い切って率直に感想を聞いてみた。
まぁ完結していないのに感想を聞くのは如何なものかと思ったけれど、
何しろここまで、当たり前だけど一人でやってきているから、
ちょっと不安だったんです。
ぶっちゃけ、おもしろいかどうか。
彼の「おもしろいよ」という言葉を信じることにした。
インテリでなかなか男前な彼。
足りないのは色気というか、女性。
まぁ本人があんまりその気になってないから、いいんだろうけど。
めんどくさい。
まぁ、確かに面倒だよ、恋愛は。
答えのないテーゼだからね。
「出会いがないんだよ。」
僕の中で、これを言う人は、恋愛したくない証拠みたいなものだと思っている。
出会いがないという名目にして、その気にならないだけ。
その気になれば、恋愛は今すぐにだって始められる。
まぁ、恋愛だけが人生じゃないから、構わないんだけど。
それに、ギター抱いて寝てる男をその気にさせるのは、難しいだろうし。
たぶん、今、僕と彼は、日本で一番、振り向かせるのが難しい男に入るのだと思う。
何しろ、お互い、女性よりも大事なものがある。
四六時中、大事なことを考えているのだから。
僕にしてもそうだ。
目が覚めて、食事を摂る。
それからずっと小説のことを考えている。
「47」の構想、もう一つの小説の構想、ブログの構想。
んで空想。
夕食を挟んで、今度は小説を綴り、ブログを綴る。
んで読書。で、睡眠。
たまに他のことも考える。
ギターのこと、Rockのこと、音楽のこと、映画のこと。
あとは、まぁ少しだけ、好きな子の未来を考えるくらい。
あ、少し恋があった。
僕も彼も、もう26だ。
ぼちぼち周りが結婚しだした。
「なんか周りが結婚しだすと、ちょっと考えるよな。」
「そうか?考えても、俺ら、相手いないし、結婚できるタイプじゃないだろ。」
どっちが僕の発言かは秘密。
彼はとてもリアリスト。
僕とは正反対だろうか。
ただ、お互い、夢を諦めない男である。
世間からバカにされようと、キリギリスと言われようと、
夢を諦めない。
そういう点では、彼もまた、一途バカ。
世の女性の皆様、
一途バカの生き様をとくとご覧あれ。
中途半端な野郎の皆様、
男の生き方、よくその目に焼き付けときな。
一途バカより。 改めまして、下克上です。えぇと、一日で立ち直って、
怒涛の長文のように見受けられそうですが、
そんなことはございません。
最初に言ったとおり、
「温かい時々、苦い、ところによって悲しい」
は、 文字数の関係で、どうしても3つにわけないと載せられなかったので。
(考えて書けよなぁ・・・)
で、お約束どおり、連載小説「47」も更新いたしました。
え~昼間はちょっとでかけておりましたが、
帰ってきてから、一気に更新しました。
ちなみに「温かい・・・」の方は書きかけだったんですね。はい。
それを一気に書き上げまして、まぁ手前味噌な話で申し訳ありませんけど。
食事を挟んで、今度は「47」を書きまして、
えぇと、なんかテンションが変です。
ナチュラルハイになってます。
つまんねぇなぁと思ったら、容赦なく、ご意見を。
あなたのご意見、ご感想で、僕は成長いたします。
では、生まれ変わった僕をよろしく。 July 24 まだ続く本当に人生というのは、ままならないものだと思う。 ヒトミと長い時間を過ごしてきた。何度も季節の移ろいを楽しんできた。 だが、どこかでお互い、「一緒にいるのが当たり前」になりはじめていた。 僕とヒトミは結婚しているわけではない。しない理由は経済的事情が大きい。 だが、本当は違うのだろう。心のどこかで、踏ん切りがついていないんだろう。 そしてそれはみるみる2人の間に溝を作り始めた。 気持ちが満たされなくなっていた。 「愛している」と言われても、それはまるで挨拶のような感覚でしかなくなってきた。 僕の愛とヒトミの愛がすれ違い、僕の心は満たされない虚しさが募っていった。 「別れたほうがいいのかもしれない。」 そんな思いが頭を過ぎっていたとき、僕はアイに出逢った。 最初はなんのことはない、暇つぶしの相手だった。他愛のない話をして、打ち解けていくうちに、お互いの恋愛について話していた。 アイは僕と同じような境遇だった。 相手のことを愛しているのに、自分の望む形で返ってこない。だから、日々、淋しさと虚しさだけが募っていく。 痛いくらい、アイの気持ちがわかった。 僕とアイが恋に落ちるのは、もう避けようがなかった。 僕は初めて、年下の女性と恋に落ちた。それだけ僕が年を取ったということでもあるんだろうけど、要素はそれだけではない。 アイの考え方、行動力、感情、そういった全てのことが、僕には愛おしく、魅力的に思えた。心が美しい女性だとすぐにわかった。 僕とアイはまるでベガとアルタイルのように、そう易々と逢える距離ではなかった。 だから毎晩、電話をして、メールをして、愛情を伝えて、価値観を伝えた。 ヒトミに対する愛情は、もはや皆無だった。 薄情だと思われるだろう。僕自身、薄情だと思う。 ただ、僕が枯渇状態にあって、それを訴え続けているのに、それを満たしてくれなかった。 そして、満たしてくれる女性と出逢ってしまった。言い訳がましいけど。 浮気ではなく、本気。 ただ、僕とアイがもし、恋人になるのならば、いささか、いくつかの問題をクリアする必要があった。 一つは、お互い、恋人がいること。僕にヒトミがいるように、アイにもまた、彼氏がいる。 一つは、距離。逢いたくなったら、すぐに逢える距離ではなかった。 そしてもう一つ。それはお互い、夢があるということだった。それも大きな夢。 僕が小説家になりたいと腹を括っているように、アイもまた、国際ボランティア活動に身を投じたいと尽力していた。 僕はアイの夢を称えた。日本において、国際ボランティアに身を投じるというのは、現実的なことを言えば、非常に困難なのを知っていたから。 日本では国際ボランティアという尊い行為が、軽視されている。誰かやればいいさと他人事にしか思っていない。裕福なのに、募金一つ、しない人もいる。 そして、国際的慈善活動に対して、冷ややかだ。「暇なんだ」とか「お人よし」といった、どこか馬鹿にしている風潮もある。 僕自身、小説家を志す前は、そういう感覚で見ていた。自分に余裕がなかったから。 ボランティアというのは、自分に余裕がないと、基本的にはできない。 分かりやすく言えば、借金だらけの人に募金はできない。 何より最も必要なのは、勇気だ。 国際的慈善活動はいわゆる、発展途上国を支援することが基本となる。 発展途上国には、悲しいかな、危険が満ち溢れている。 犯罪、紛争、テロ、疫病、災害。 つまり平和ボケした日本では考えられない、死と隣り合わせの場所に赴き、そこで様々な活動をする。疫病を防ぐために医療を広め、災害を避けられる技術を教え、紛争に巻き込まれないために、教育を施す。 常に求められるのは、自分のしていることが正しいのかどうかという心の揺れだろう。 現地に赴かなければわからないけれど、きっと自分の無力さを痛感する。 そういったリスクを全て抱え込む強さと勇気が求められる。
アイは、その第一歩を踏み出そうとしていた。 だから僕は僕なりに、アイの夢が叶うように、色々と話をした。 アイも僕の夢が叶うことを信じてくれた。 そして、アイと僕はあっという間に、理解し、愛し合う関係になった。 僕の人生でおそらく、もっともプラトニックな恋愛だろう。 アイはすぐに横浜へ来ることを決めた。 冷え切った彼氏との関係を整理する前に、僕の元へ来ることになった。 ただ、僕は何度もアイに、彼氏のことを真っ直ぐ見つめるように促した。 本来、アイが見つめるべき存在をきちんと見つめた上で、僕を選んでほしかった。 同時に、アイの彼氏が、アイの望む男になってくれることを願った。 こういう感情は今まで、僕は味わったことがない。 普通に考えれば、アイを奪ってしまうだろう。遠巻きに彼氏を批判して、自分は違うことをアピールしたり、アイの弱いところに畳み掛けるだろう。最後はきっと力技で自分のものにしてしまうだろう。 だけど、それはフェアじゃない。アイの弱いところにつけこむようなマネをすれば、いつかしっぺ返しを食らう。同じ方法でアイを失う。僕はそう思っていた。 決定権はアイが握っている。僕は跪いて、うやうやしく手を差し出すだけだ。 ただ、アイが横浜に来たら、僕はアイを手放さないと確信していた。
本当にままならない。 僕はアイが横浜に来るにあたって、ヒトミとの関係をゼロにした。 僕の心はすでにアイへ動いていたし、ヒトミの言葉は僕に届かなかったから。 アイをきちんと出迎えたかった。 全てを清算して、アイの気持ちに応えようとした。 たとえ、アイが僕を選ばなくても、それでいい。 正直なところ、アイは僕を選ばないような気がどこかでしていた。 こういう勘はなぜか当たる。アイは彼氏としっかり対話をして、やり直すことを決めていた。 横浜に来たアイと対峙する。 海を見に行こうと思っていたので、横浜から桜木町まで、歩いた。 そう、僕の大好きな臨港パークへ向かった。 道すがら、僕はアイに色々と話しかけた。 ただ、返ってくる答えは、言葉短く、どこか虚ろだった。 だから僕は途中でアイの手を離した。なんだか握っているのが不自然だったから。
臨港パークで一番、眺めがいい場所へ、僕とアイは腰掛けた。 目の前ではおじさんたちが釣りをしている。 海風が吹き付けてくる。アイは海を見つめている。その瞳から、僕は全てを悟った。 僕のかける言葉に、アイはぽつりと答える。 「あれがベイブリッジ。で、あれが鶴見つばさ橋。」 空は曇天。重い雲が空に立ち込めている。そして僕らの間にも。 ようやくアイが重い口を開いた。 「今日・・・帰るから。やっぱり彼氏を信じたい。」 僕は「そう」としか言えなかった。予想していたことが現実になっただけ。 ただ、あまりに急で、まさか今日、それを伝えられるとは思わなかった。 アイが横浜に来たのは、それを僕にきちんと告げるためだった。 そのためだけに、わざわざ西の都からやってきてくれた。 アイの瞳に悲しみだけが溢れている。ただ、その瞳は、美しく、力強かった。 何より、優しさで溢れていた。 ただ、その瞳が僕の方を向くことは、なかった。 アイはただ、海を見つめ、未来を見つめていた。 僕は、涙をずっと堪えていた。アイは男の涙に弱くて、涙を見ると、情に流されてしまうのを僕は知っていたから。ここで泣くのは卑怯だと思った。 だから僕はアイの手を握り締めるのが精一杯だった。 柔らかくて、すべすべした手で、きっとこれから、たくさんの人を救っていくんだろうなぁと思った。 夏休みということもあって、臨港パークの後ろにあるイベントホールから、メロコアバンドの演奏が聞こえてきた。 夏の始まりなのに、夏の終わりのように感じた。 「どうしても・・・今日、帰っちゃう?」 僕は1%でも可能性がないのか、もう一度、アイに尋ねた。 「・・・うん。やらなくちゃいけないことがたくさんあるし、今日は・・・帰る。」 僕とアイはそれきり、ほとんど会話をしなくなった。 沈黙を埋めるように、メロコアの演奏が流れていく。 「7時に・・・帰るね。」 時計を見た。あと1時間。 僕は腹を括って、アイに話した。 「夢は叶えてこその夢。叶えてなんぼだから。絶対、夢を叶えてね。アイのことを待ってる人がたくさんいる。その人たちのためにも、頑張って、必ず夢を叶えてね。」 アイは僕に対して横を向いたまま、「うん」と頷いた。 「俺も頑張って必ず夢を叶えるからさ。お互い、夢が叶ったら再会しよう。その時は笑顔で。」 少しだけ、アイは微笑んだ気がする。 僕は辛さがピークに達した。涙を堪えて、アイの手にキスをした。 桜木町の駅までは、ほとんど会話をしなかった。 そして改札へ。 「アイ、傘。」 「ありがとう。」 初めて目を見てくれた。初めて微笑んでくれた。 そして、振り返ることなく、アイは家路に着いた。 僕はしばらくそこに立っていた。 居場所をなくした僕は、どこに行っていいかわからなくて、その場に立ち尽くしていた。 夕食時だけど、そんな気分じゃない。独りで食べる気力なんてなかった。 結局、僕はタバコを買って、しばらくタバコを吸っていた。 行き交う人々を見ながら。 空からは雨が降ってきた。 傘がない僕は、ずぶ濡れになった。悲しみを洗い流してくれる気がしたから。
結局、食事はしないで家に帰った。そしてアイにメールをした。 僕が大好きで、アイも大好きなウルフルズ。 「笑えれば」という歌の詞を送った。 アイに歌ってあげようと思っていたこの歌をアイに教えてあげた。 しばらくして、アイからメールが届いた。 「ありがとう」で溢れていた。僕のおかげで、救われたと。 僕こそ、ありがとうと思う。 初めて涙が出てきた。嬉しさと悲しさで、涙が出てきた。 だから僕は、山崎まさよしの「One more time,One more chanse」と「僕はここにいる」を何度も聴いて、徹底的に泣いた。 そして、アイと僕の、「夢を叶えたら再会する」という約束をしっかり抱きしめた。
僕は臨港パークのお気に入りスポットに腰掛けて、タバコを吸っている。 不思議なものだ。まるで夢でも見ていたようだ。 確かにここに、アイはいた。僕の隣に。 あの日と違って、今日は抜けるような青空だ。雲ひとつない。 あの日、アイが着ていた、Tシャツのようだ。 夏の日差しが僕の背中をじりじりと焦がす。 もしかしたら、臨港パークは恋愛との相性が悪いのかなと思ったりもする。 結局、もう一度、ここに来た人は誰もいないのだから。 ここは、僕が独りで来るべき場所なんだろう。 未来に対する不安や、過去の想いに耽りたいときに、ここで海を見つめる。 今まで幾度となく、ここに来ては色々と思案したけど、いつも僕の心のように空は曇り、そのせいで海まで汚かった。 今日は本当にいい天気だ。夏の空だ。海も青く綺麗だ。 僕の心も晴れる。
アイは今頃、勉強している。夢のために、大切な人と。 そして、一生懸命、バイトをしているだろう。 夢を叶えるための努力を2人で始めたと思う。そうじゃなきゃ困る。 これはこれで、僕は幸せだ。 アイに笑顔が戻ったのだから。 そのために少しだけ、力になれたのだから。
悲しくないと言えば嘘になる。辛くないと言えば嘘になる。 ただそれを言ったところで、何も変わりはしない。 メソメソと泣いて、いつまでも引きずっていたところで、時は待ってくれない。 どんどんと時は過ぎていく。 だから僕は、僕のやるべきことをやる。 トモコとナツコのことは、もう記憶からほとんど消えている。セツコも然り。 街であっても気づかないし、逢ったところで何の感慨も湧かない。 ヒトミには逢いたいと思う。ただ、合わせる顔がない。 頭を下げたら、きっとやり直してくれる。そういう優しい女性だから。 ただ、僕はそれをしない。 僕がヒトミにつけた傷はあまりに大きい。 許されることではないと思っている。 だから僕はしばらく独りで頑張る。 夢を叶えるために、独りでやれるだけ、やってみる。 それがヒトミやアイに対する、最大の愛情だと信じている。
僕は立ち上がると、パンツを手のひらではたいた。 水を一口、飲んで、灰皿をポケットにしまい、歩き出した。 きっと僕を待っている人たちがいる。 その人たちのために、僕は一からやり直そう。 僕の夏休みは終わった。 たった一日だ。一日あれば、十分。 単純だから。僕は。 自問自答を繰り返して、答えが出るのに、一日もあれば十分だ。
さぁ、また始めよう。 夢のために。自分のために。布いてはそれが、みんなのためになればいい。 ただいま。 色々心配をかけました。お気遣い、感謝しています。 さぁ、行こうか。 続きタバコに火をつけて、灰皿を取り出し、空を見上げる。どんよりと雲が空を覆っている。おかげで海までコーラみたいな色になっている。サングラスを外し、海を見つめる。 紫煙が目に入って、涙が出る。後ろでは、子どもが自転車に乗って遊んでいる。 気づけば、みなとみらいにはマンションが建ち始めていた。人影はまばらだ。 ここは新港パーク。橋を渡れば、臨港パーク。この新港パークは知名度がいまいちなのか、あまり人がいない。ただ、眺めは変わらない。海上保安庁があるくらいだ。 僕は独りで物思いに耽りたいとき、海が見たいときは、最近、もっぱら新港パークに来る。邪魔が入らないから。カップルを見ればヒトミに逢いたくなるし、がやがやと集団が来るのは、物思いに耽りたい僕には邪魔なのだ。 気づけばヒトミが傍にいることが当たり前になっている。それが本当は得がたいことだと、今は思う。ヒトミのいない生活はあり得ない。 ケンカなら数え切れないほどした。お互い全力でぶつかって、そうやって理解してきた。今の若い子はケンカしないらしい。別れたくないという理由で。 なんというか、短絡的というか、若いくせにヴィジョンが狭いと思う。恋愛をしていることがステイタスになってしまった今の世の中のせいでもあるけど。 本当に別れたくなければケンカをしなければならないときが出てくる。ケンカをしないカップルというのは、どちらかが我慢をしているか、諦めているんだと思う。 我慢はいつか限界に達する。そのとき、ケンカをするから別れてしまう。諦めの数が増えすぎるから、別れてしまう。 不満は思った都度、相手に伝えていけばいい。その結果、ケンカになるのは仕方がない。考え方の違いからくるものだから。そこで自分の不満を相手にぶつければいい。指摘されて、直せることなら直せばいい。直せないなら理由を言えばいい。 お互いの想いを100%ぶつけあった結果が別れなら、後悔は少しで済む。ご縁がなかったのねと割り切れる。けど、我慢し続けたり、諦めて見捨てた恋は、傷になる。その傷は偏見や、自身への呪縛へと変わる。そんなものは必要ない。そうやって心が曇れば曇るほど、愛から遠のいていく。 心が変わると「恋」になる。その心を相手が受け入れて「愛」になる。 日本にしかない表現だと思う。英語では恋も愛もLOVEとしか表せない。恋煩という言葉もLovesickとしか表現できない。恋と愛は違う。 僕の中で恋は動詞だ。恋はするものだから。愛は違う。状態を表す形容詞みたいなもの。 愛し合っているとは言うけれど、恋しあっているとは言わない。 恋は通り魔と言ったけれど、愛はどこにもいない。あの角を曲がってもいない。 恋は独りでもできるけど、愛は独りじゃ成立しない。 たくさん恋をするのもいい。けどその結果、一生、独りだったら意味がない。一つ一つの恋に様々な想いを抱いて、愛を求めなければ意味がない。
「美貌の秘訣は常に恋してることかしら。」 戯言である。恋をずっとしていたら、身はやつれ、心もぼろぼろになってしまう。 本当に美しい人は愛されている。愛されることで満たされ、そこから湧き出す「美」こそ本当の美しさだと思う。 トモコもナツコもセツコもこの美しさはなかった。 ヒトミだけが美しくなっている。今も美しくなっている。 もっとも、ヒトミ以外の人に会うこともないから、わからないけれど、どこかで確信している。ヒトミが一番、美しくなっていることを。 「こないださ、実家に帰ったときね、友達に会ったんだけど、綺麗になったって言われたよ。」 ヒトミは照れながら僕にそう話してくれた。これは僕にとって最大の賛辞だ。 少なくともヒトミが満たされている証拠だから。 エステに行こうが、美容形成しようが、この美しさは手に入らない。 女性にとって恋は美しくなるための素材でしかない。それが愛に昇華して、初めて本当の美しさを得ることができると、僕は信じている。
この先、僕が恋をしない保障はない。次の角を右に曲がったら、またぶつかるかもしれない。けれどそれはそれで構わない。もう火は付かない。ほのかに燃えて、勝手に消えていく。線香花火みたいなものだ。ちょっと優しい気持ちになるけど、ほんの一瞬。 できればぶつかりたくはないけれど、避けられるものなら避けるけれど、避けられないなら、無理に逃げるのはやめる。半端なことをすれば、またぶすぶすと燻ぶってしまうから。なら、始めから、燃やし尽くせばいい。燃料も酸素もない場所だから、自然に消える。 本当に愛しているのは、いや、愛してくれるのはヒトミだけ。
人生は一度きり。後悔はしたくない。だからといって、無難に生きることはしたくない。いつか死ぬときは 「いい人生だった。辛いこともあったけど、楽しいことの方が多かった。なにより幸せだった。」 そう呟きながら旅立ちたい。 人生は「こんにちは」と「さようなら」の繰り返し。どうせ繰り返すなら、笑顔で言いたい。少なくとも、「さようなら」は気持ちよくしたい。 自己満足と言われようが、大いに結構。僕が満足してりゃいいだけだ。 そう信じていたのだけど・・・
リスタート立ち直り、早いです。我ながら驚きです。
温かい時々、苦い、ところによって悲しい
改札を抜けて、エスカレーターを上がる。もう一度、エスカレーターに乗る。徐々に視界が開けてくる。目の前はコンコース。右手には立ち食いソバ屋と弁当屋さん。そして本屋とコンビニ。左手はJRの改札、切符売り場。30メーターくらいで、視界は180度パノラマになる。右手にはオフィス街。正面にはワールドポーターズとコスモクロック21が見える。ゆっくりと左のほうへ視界を移していくと、インターコンチネンタルホテル、クイーンズスクエア、日本丸、ランドマークタワー、動く歩道が見える。 桜木町。エンターテイメント、ビジネス、ショッピングという三すくみの観光名所。 僕はこの街が好きだ。そして、ここに来るときは、色々な想いを抱く。
昔、僕が小学校の1年だか2年のとき、この辺りは、海だった。今では「みなとみらい21地区」なんて呼ばれているけど、最初は横浜博覧会の跡地だった。 僕が博覧会と呼ばれるものに行ったのは、今のところ、この横浜博覧会だけだ。小学校の遠足と、家族とで2回、行った。当時の僕には当たり前だけど、目新しいものばかりだった。おおきな観覧車(コスモクロック21です。今の)パビリオンと呼ばれるもの。世界中の文化。大きなお祭りだなぁって思った。でもほとんど記憶にはない。 覚えているのは、観覧車に乗ると、粉末タイプのスポーツドリンクをくれることと、不味かった椰子の実ジュースくらいだ。あとはマスコットが手塚治虫さんの手によるものだったことくらいだ。 あ、そういえば親父とアトラクションに乗ったら思いのほか怖くて、目を閉じて、耳をふさいでたな。僕。そのくらいだ。横浜博覧会の記憶は。 閉会後はだだっ広い空き地になってしまった。イベントに使われたりもしていたけど、別にさして行くほどのものでもなかった。というか、桜木町には何も無かった。 買い物といえば横浜。映画を見るなら横浜。とりあえず横浜という感じだった。実際、大手百貨店があるし、店も充実していた。何はともあれ、横浜に行けば事足りていた。 今でこそ、元町、中華街、みなとみらい、八景島と観光名所も増えたけれど、みなとみらいも八景島も、ここ10年くらい前にようやく形をなしてきた、いわば新参者。 だから横浜の観光スポットというのは、元町、外人墓地、中華街、山下公園、人形の家、マリンタワーだった。関内と呼ばれる、官庁街の奥だ。この辺は今でも変わっていない。 戦前から立っている古い建物や銀杏並木、クイーンエリザベス号が停泊することで有名な大さん橋。そういえば僕は大さん橋を「だいさんばし」と読んでいた気がする。「大さんって誰だろう?」なんてことを思ったものだ。その大さん橋も、今は作り直されて、春や秋の陽気にぴったり合う、優しい建物になった。芝生が敷いてあって、通路が木だから、天気のいい日は、のんびり昼寝なんていいかもしれない。もっとも海の上だから、風が強くて、長くいると体が冷えてしまうんだけど。 僕が横浜で暮らすようになってもう20年。東京のはずれで生まれて、下町で育って、横浜に来た。 横浜は、なんだか地方の方々から「住みたい街」として人気があるみたいだけど、僕はよくその理由がわからない。確かにおしゃれな街並み、デートスポットがわんさかあるけれど、意外と住んでみると、そういう場所には行かない。せいぜいが最初の1年、2年だ。「住めば都」とは言ったもので、どこに暮らそうが、基本的な生活は何も変わらない。20年住んだ僕の感想だ。「別に横浜にこだわることは無い。」というのが結論。 暮らしてみると、坂が多いし、人も多いし、治安も良くないし、デメリットも目立つ。 「でも横浜に住んでるんだから横浜に買い物とか行けるじゃない?」 いやいや、出不精の僕は、たぶん2~3ヶ月行かなくても平気。 「横浜」という名前、一種のブランドにみたいなものなのかな。意外と何も無い。 そんな横浜にライバルが現れた。桜木町、みなとみらいだ。
桜木町。横浜周辺に住んでいる人なら、まして若い人なら、色々な思い出のつまった場所だと思う。いいことも、悪いことも、ここでは起きる。 何しろ、映画館、遊園地、ショッピングモール、レストラン街、公園と足りないものを探す方が大変なくらい、この街は充実している。ないのはいかがわしいものだけ。 当たり前だけど、みなとみらいは突然、バーンとできたわけではない。長い時間をかけて、今の形を成している。ランドマークタワーだってタケノコじゃないから、ある日突然、ニョキっとできたわけじゃない。しかも悲しいかな、建設中に、「ゴジラ対モスラ」で破壊された。映画の中だけど。 僕がこの形成されたみなとみらいを訪れたのは、小学校高学年のときだった。パシフィコ横浜と呼ばれる、大きなイベントホールに行った。そしてそのあと、裏にある臨港パークに行った。この臨港パークは目の前が海で、というか限りなく海抜0メーターなのだ。 奥に行けば、海水が引き込まれていて、そこにボラなんかがいたりして、ちょっとした水遊びができるところもある。もっとも公園は綺麗でも、水は確実に汚いと思うけど。 目の前にはベイブリッジに横浜港。最近じゃ鶴見つばさ橋が見える。 目の前を通る船は観光船だったり、アラビア文字が書いてあったり、まったく読めない文字が書いてあったりと、見ていて飽きない。なんというか、ロマンを感じる。 「あぁ、あの船はどこに行くんだろう。この船はアメリカまで行くのか。時間かかるんだろうなぁ」 といった物思いに耽ることができる。平日なんて、人もまばらだから、柔らかい日差しを浴びながら、物思いに耽るのは、なかなかいい気分になる。 ただ、ふと気づけば、日が傾いて、まわりがカップルだらけになっていたりして、ロマンが一転、傲慢に変わってしまうけど。「ケッ」ってな感じになる。 まぁ、仕方ない。何しろ夜景がまた綺麗なんだ。ここは素直に譲ろう、カップルに。 この街の夜。歩く人たちも変わる。家路を辿るビジネスマン、ぴったりと寄り添うカップル、崩壊寸前のカップル、残された時間を嘆くカップル。ほとんどカップル。 そう、夜の桜木町、みなとみらいは恋人たちの街になる。 高校生のとき、僕は初めて、恋人と、このみなとみらいに来た。一回り年齢の離れた恋人と、臨港パークで海を眺めたり、ウインドショッピングを楽しんだ。すぐに壊れてしまったけれど。みなとみらいをデートスポットとして使ったのはこれが初めてだった。 トモコとは他愛のない会話をしていた。会話の内容なんてことより、今、自分のいる状況が、ただ嬉しかった。パンをかじりながら見つめていた海の先は、僕の未来を暗示していた。ただ果てしなく広がる空と、それを映した海。よく見れば濁っている。不安と、ロマンと希望が波間に顔を出しては消えを繰り返していた。先のことなんてわからないから、考えない。たとえそこに別れがあったとしても、若い僕には、今が幸せならそれで十分だった。そんなことを思いながら、海を見て、おしゃべりをしていた。僕にとって、最初の恋人、それがトモコだ。たとえ3日間でも、恋人だった。 それから何ヶ月かして、今度はナツコと来た。ナツコも僕より年上で、暮らしている場所も遠く離れていた。だから僕はここぞとばかりに、この街を歩き回った。観覧車に乗り、海を眺めて、たくさんおしゃべりをした。舞い上がっていた。ナツコはちょっと美人だったから、そんな素敵な人が自分の横にいると思うだけで、幸せを感じた。 八景島にも行った。前もって、どこに連れて行くかメモに書いて、スケジュールまで作った。何しろ滞在時間が限られているから、行き当たりばったりというわけにはいかない。一分でもロスはできない。したくなかった。頑張っていた。未来を見るためには努力がいるんだと初めて思った人でもあった。 観覧車の中で 「このまま回り続けていたいね。」 そう言って抱きしめたナツコはいい香りがした。なんだかかいだことのない、いい香りがした。なんとなく不釣合いな、そんな感じもした。 いつまでも、一緒にいると信じて疑わなかった。 けど、ナツコがみなとみらいに来ることは二度となかった。 どこかで感じていたことが、予想以上のことになってしまったから。 生まれて初めて、女性に裏切られた。裏切られるということが、こんなにも辛いことなんだと僕は痛感した。 そんな経験があったから、僕自身、しばらく桜木町を避けていた。 思い出がこんなに辛くて悲しいものなのかと初めて思った。 「避けられるなら避けてしまおう。行く必要もない。」 そんな想いを抱いて、鉄の鎖で心を縛って、横浜港に沈めた。 「こんな想いをするくらいなら、恋はしないほうがいい。いっそ独りがいい。友人もいらない。自分独りで考えて行動するほうが楽だ。」 そして僕は本当に孤独になっていった。
「恋は通り魔」 予測できないという意味だ。欲しているときは、まったく訪れないのに、どうでもいいなぁと思って、角を曲がると、バーンとぶつかる。しかも僕の場合、たいていは火をつけられてしまう。あれよあれよという間に火ダルマになって、がむしゃらに追いかけて行く。僕に火をつけたのはヒトミだ。そして、ヒトミに出逢って僕は、ガソリンをかぶった。おかげで、ヒトミはなんとも思っていないのに、僕は必死だった。罪な女性である。 あれやこれやでなんとか食事に誘って、ようやく付き合うことができた。 もっとも、ヒトミからすれば、いつ誘ってくるのかはっきりしない男と思っていたみたいだけど、僕からすれば、それはとても勇気のいる決断だった。 ヒトミもまた、僕より年上だった。けれど、特別な感じはしなかった。つまり 「背伸びをしないで付き合えた」というわけだ。 僕はヒトミの物怖じしない性格が特に気に入った。何しろ当時の僕は、孤独を深めるため、ロックに傾倒しすぎて、髪の毛を蒼く染め、レザージャケットにレザーパンツという、他人だったら近づきたくない、身内だったら他人のふりをしたくなるようなビジュアルだった。 けど、ヒトミはまったく気にしなかった。それどころか、 「思ったより青くないね。」 と、こっちが驚くほど、肝が据わっていた。そんなヒトミがすごく魅力的だった。 ヒトミの一挙手一投足から、目を離したくなかった。 今までの僕は今を愛することに精一杯で、背伸びして、いい男を演じていた。 けど、ヒトミを見ていると、そんなことが無駄だということに気づかされた。 だから日ごろ、人に対して、必要以上に壁を作る僕がヒトミに対しては、あっさり壁をとっぱらった。そして渋谷を歩き回っているとき、桜が目に飛び込んできた。 「あ、桜。一緒に見れたね。」 ヒトミはそういうと僕に微笑んでくれた。この世知辛い世の中で、自然をきちんと感じることのできる人、僕の炎はさらに燃え上がり、鉄をも溶かす勢いだった。 そして、いきつけのパスタ屋で食事をすることにした。 僕はいつも食べるものが決まっているから、メニューはさして見ない。 「あたしね、このお店は知ってるんだけど、入るの初めてなんだ。」 そう言ってメニューとにらめっこを始めた。 「恋をしてる。」 その実感が高まった。ヒトミを横浜に連れて行ってあげよう。あの海を一緒に眺めよう。 そんなことを思っていると、オーダーが決まった。ヒトミは、 「ペスカトーレ」 と、言った。聞き間違いじゃないよな。だって白い服着てるし、すごく食べずらいもんな。いや、でも確かにそう言った。そんなことを思いながら、おしゃべりをして、パスタが来るのを待った。しばらくするとパスタが運ばれてきた。 僕のはいつもどおり、バジルとトマトのいい香りがする。ヒトミはというと、やっぱりペスカトーレだった。まぁ、別に何を食べようと勝手だし、好きなんだろうなと思って、パスタを食べ始めた。僕はぺろっと自分の分を平らげて、腹八分という感じだった。 ヒトミはというと、案の定、悪戦苦闘している。なにしろペスカトーレだ。エビやらカニやら貝がどっちゃりである。着ているのは白いブラウスだ。ソースが飛んだらアウトだ。そんなことを思いながら、ヒトミを見ていた。おいしそうに食べていた。 悪戦苦闘しているんだけど、楽しげに、おいしそうに食べていた。それを見ていたら、僕の炎はもうメルトダウン寸前まで温度が上がった。 「こんなにパスタをおいしそうに食べる人が傍にいてくれたら楽しいだろうな。食事だけでこんな気持ちになれるんだ。」 そのとき、僕は決断した。 「結婚しよう、ヒトミと。」 言葉には出さなかったけれど、僕の気持ちが通じたのか、その晩、僕とヒトミは、一つになれた。今までにない幸せを感じた。
心の鎖を断ち切る日がやってきた。ヒトミとみなとみらいにやってきた。もうみなとみらい地区は勝手知ったる庭みたいなものだ。行く場所も、食事をする場所もすべて頭に入っている。僕の思い出を書き換える日がやってきた。大観覧車に乗って海や横浜を見渡す。「僕の家はあの辺。あのビルの近くだよ。」 「あれがベイブリッジ。下を歩けるんだよ。スカイウォークって言うんだ。」 「ほら、あれがランドマークタワー。でかいよねぇ。建設中なのにゴジラにぶっ壊された珍しい建物。ちなみにこの観覧車はモスラが持ち上げたんだ。」 などと、終始、しゃべりまくっていた。そして、頂点を過ぎた辺りでキスをした。 自然と、ヒトミといるだけで、過去の思い出が清算されていった。 そして、このみなとみらいは僕とヒトミにとってかかせない場所になっていった。 僕のお気に入りレストランをヒトミが僕以上に好きになってくれたり、一緒に映画を見たり。 僕の趣味の一つである映画。恋人と見るのが夢だった。叶えてくれたのは、ヒトミだった。あとにも先にも、当たり前だけど、いない。ヒトミは僕が好きなものを好きになってくれる人だった。だから、僕は部屋に入れた。そして僕の持っているDVDを一緒に見た。 些細なことでも反応して、感動したり、驚いたり、笑ったり。 めまぐるしく変わるヒトミの表情を見ているのが大好きだった。 何をするのも一緒になっていた。
季節は移り変わり、気づけば、長い時間をヒトミと過ごしていた。 共に季節を過ごし、その移り変わりを共に感じるというのは、すごく新鮮で幸せだった。 けど、そんな僕は事もあろうか通り魔に襲われてしまった。 桜木町で。 僕はひょんなことから桜木町で働く場所を見つけた。ふとしたことから接客業にやりがいを感じた僕は、アパレルに憧れていた。オシャレが堂々とできる職場。 そんな理由から、色々な場所を探して面接を受けては落ちを繰り返していた。 そしてようやく桜木町で働く場所を得た。そしてそこで付けてはならない火をつけてしまった。セツコと出会った。 同期というのもあって、最初は普通に同僚として、慣れないアパレルの仕事であれこれ話をしていた。ただ気づいたときに、色の違う小さな炎が胸の中で産声をあげようとしていた。付いては困る火が付いてしまった。 歯止めの利かない人間にとってこれほど厄介な問題はない。そして、何事も真剣に取り組む人間にとっては尚のこと、厄介な問題になる。早い話が心が揺らいだということだ。 キャバクラ嬢にお熱な中年男性マイナス下心みたいなもんである。 気持ちはプラトニックというかアガペーに近いのだが、これは平たく言えば、本気になりかけている証拠だ。とっかえひっかえ、色んな女性を手玉に取ってる男にはわからない悩み。純粋なハートの持ち主にしかない悩み。一晩過ごして気が済むとか、そんな軽いもんじゃなかった。なにより僕にはヒトミがいるのだ。僕からすれば立派な浮気だと思った。 軽薄な男なら、さっさと乗り換えているところだろうけど、僕にとってヒトミは特別の存在になっている。失うことは命より代え難い。ところが火は消えないのだ。自分の中で矛盾している気持ち。良心の呵責。心の中では懸命の消火活動が続いていた。 ヒトミに逢うのが週に2日ほど。セツコは当たり前だけどヒトミより会う機会は多い。そんな状況下では心の消防隊もくわえタバコで放水してるようなものだった。 天秤があっちこっちと忙しなく傾いていた。ヒトミもそれを感じていた。そして、僕はこともあろうか、距離を置くことにしてしまった。消防隊、撤収である。
ところが火は大きくなることなく、ブスブスと燻ぶっていた。ヒトミの存在が大きいというのが一番だったし、何より、セツコにその気がなかった。早い話が自分の家に放火したようなもんだった。 僕の人生哲学は「99%失敗と分かっているなら、1%の成功にかける」というものだ。 この人生哲学が、まさか恋愛事情に於いてまで、ここまで絡んでくるとは、僕自身、驚きだったし、この人生哲学自体に後悔を覚えた。ただ、今もそれは変わらないけれど。 僕はそのとき、ジャスティスの像を思い出した。正義を司る神。その目は布で覆われ、手には天秤を持っている。公正な判断をするために目を塞がれている、あの像だ。 僕もそれにならうことにした。失礼な話だけど。裁くわけではない。自分にとってヒトミとセツコ、どっちが必要か、冷静に考える必要があった。消防隊も今度はやる気満々だ。ジャッジと共に、どちらかの火が消える。 ヒトミの方が重かった。圧倒的に。一緒に過ごしてきた時間が違う。分かち合ってきた苦労も違う。僕とヒトミは支えあってきた。心の底から。何より、こんな僕を愛してくれている。 意外とあっさりジャッジは下った。あっという間に消防隊が火を消した。 そしてヒトミに心から謝った。思いのたけを全て話した。 そして改めてヒトミに告げた。 「結婚してください。」 ヒトミの答えは、涙交じりのイエスだった。
July 23 終章俺は空へ羽ばたいた。
漆黒の翼は俺を軽々と空へ導いた。
体の中を駆け巡る欲望。
もはや俺は人ではない。
だから時間がない。
急がなければ地獄の釜が開き、
俺を奈落のそこへ叩き落さんと堕天使が現れてしまう。
そうなる前に、俺は何としても女神の下へ行かなければならない。
角は雲を切り裂き
道を標してくれた。
我を求めよ。
頭の中で声がする。
その声をかき消さんと、
俺は叫び、空を突き進んだ。
女神を見つけた。
翼を失くし、三日月に腰掛けている。
悲しみを瞳にたたえて。
そしてその瞳で、変化した俺を見て、
さらにその瞳は深い悲しみでいっぱいになった。
俺は渾身の力で翼を自らもぎ取り、女神に差し出した。
欲望で汚れきった俺の翼を。
受け取ろうとはしない。
だから俺は自ら、女神の背中に翼をつけた。
触れることは許されないけれど、
これだけは許してもらえる気がした。
漆黒の翼は女神の背中についたとたん、
その色を変えた。
七色に輝き、それはまるで真珠のようだ。
俺は羽ばたくように促した。
女神は躊躇いながらも、その翼をはためかせた。
悲しげな顔で、少し微笑んでくれた。
俺は角をへし折った。
凄まじい激痛だが、痛みを感じている時間はない。
女神を天に返さなければ。
俺はへし折った二本の角を天へ向かって投げた。
角は光の矢になり、ベガとアルタイルに突き刺さった。
まばゆい光が、女神の下へ降り注いだ。
時間だ。
用意ができた。
もう躊躇いはなかった。
女神はもう一度、俺に微笑みかけた。
深い慈愛で満ちていた。
そして女神は天へ昇っていった。
羽ばたくたびに、虹がかかる。
女神は希望をありったけ世界に降り注いだ。
夜空に数え切れないくらい虹がかかる。
争いが終わり、人々に笑顔が戻った。
それを確かめてから女神はひときわ大きく羽ばたいて、還るべき場所へ還った。
世界中に希望と明るい未来を振りまいて。
俺の手のひらに、小さな虹がかかっている。
女神が俺に与えてくれた希望。
俺はそれをしっかりと握り締めて、女神を見送った。
俺はすんでのところで、人であることを守った。
欲望は希望へ。
俺は流れ星の助けで帰ってきた。
俺の翼から抜け落ちた羽がキラキラと輝いている。
俺はそれを飲み込んだ。
心の奥に灯火が。
一眠りしたら、俺はまたやるべきことをやる。
女神の与えてくれた希望を無駄にしないために。
希望の虹が与えてくれたこの手で
物語を綴ろう。
俺も希望を綴っていこう。
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